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2011年08月 アーカイブ

内外装を概観

安土城は天正一〇(1582)年、いわゆる本能寺の変の直後に焼失し、今は遺構を残していないが、その中心施設であった天守については、幸いに信長の祐筆であった太田牛一著すところの『信長公記』に収められた「安土山天主之次第」に詳しい。


また現在ではこの『信長公記』も含めて各種資料を綜合した復原図も提示されています。


いまそれらを参照しつつ安土城天守の内外装を概観してみよう。


まず『信長公記』によれぽ、二重目御座敷の内はことごとく黒漆塗、六重目は八角四間で外柱は朱内柱は金、七重目三間四方の御座敷は内外とも金、その柱も内外とも黒漆であったほか、六〇有余の狭間の鉄扉さえことごとく黒漆でした。


その他、障壁画は狩野永徳、金具は後藤平四郎等々、一代の名工を集めてそれぞれの部分を飾り立てています。


要するに天守七重のうち、最下層の石倉はともかく、他の各重は後の二条城二の丸御殿大広間や本願寺大書院(いずれも京都)さながらの豪華絢燗たる書院造風のしつらえであったことを示しています。


既に外柱を朱または黒漆塗にした以上、外壁リフォームが総塗籠であり得るはずはない。

扉や内装

狭問の扉は鉄製で黒漆を塗っているから、これまた後年の城郭や土蔵で普通に見られる塗籠の扉とは異なります。


内装に至っては土壁や外壁リフォームの存在など、右の記述からは片鱗も窺うことはできません。


いずれにせよ、『信長公記』から総塗籠式を想像することは全く不可能です。


一方、当時この城を実見したヤソ会宣教師の報告は次のように記しています。


塔(著者註・天守のこと)は七層楼で内外共に驚くべき構造です。


内部の彫刻は悉く金で、甚だ巧に色彩を施してあり、外部は各層違った色で塗り、或は白色で、日本風に黒漆を塗った窓を備え、或は朱又青のがあり、最上層は金色です。


此塔もその他の家屋も皆世界中で最も堅牢なる青い瓦で覆い、其前面には金を被せた円形の頭があります。

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