気になる経済の歴史 その8
国別で特許出願の多い順(85年)は、
(1)日本(年間30万件)
(2)ソ連(16万6千件)
(3)米国(11万3千件)
(4)西独(4万4千件)
(5)英国(3万2千件)。
ソ連には西側諸国と違い、発明者が権利を国に譲り、代わりに発明者証と報償金を与えられる制度があります。
革命の父レーニンが特許を資本主義的と決めつけたからです。
出願数が多いのは研究者の業績が出願数で評価されるからだといわれ、無意味な出願も多いといいます。
国別で特許出願の多い順(85年)は、
(1)日本(年間30万件)
(2)ソ連(16万6千件)
(3)米国(11万3千件)
(4)西独(4万4千件)
(5)英国(3万2千件)。
ソ連には西側諸国と違い、発明者が権利を国に譲り、代わりに発明者証と報償金を与えられる制度があります。
革命の父レーニンが特許を資本主義的と決めつけたからです。
出願数が多いのは研究者の業績が出願数で評価されるからだといわれ、無意味な出願も多いといいます。
◆特許ランキング
米国での特許取得件数のランキング(87年)を紹介します。
(1)キヤノン
(2)日立製作所
(3)東芝
(4)ゼネラル・エレクトリック(米)
(5)USフィリップス(オランダ)
(6)ウエスチングハウス(米)
(7)IBM(米)
(8)シーメンス(西独)
(9)三菱電機
(10)RCA(米)
(11)富士写真フイルム
(12)本田技研工業
(13)日本電気
(14)トヨタ自動車
(15)ソニー
(16)松下電器産業
(17)日産自動車
(18)シャープ
(19)富士通
(19)リコー
(20)日本電装
(21)アルプス電気
(22)オリンパス光学工業
企業が技術開発部門の仕事ぶりを、取得した特許の数で評価する傾向が強いのが一因です。
これに加え、特許出願事務の代行を職業とする弁理士がいて、当の特許庁も特別会計が出願手数料で賄われているとあって、出願する側にも受ける側にも出願増へのインセンティブがあります。
「これでは減るはずはない」と指摘する弁理士もいます。
大量出願はいわば構造的な問題というわけです。
日本企業の行動様式は米国にまで及び、米国内での特許取得件数の上位企業は日本企業がズラリ。
87年は上位百社中29社が日本企業でした。
日本企業は米国内で思うがままに特許をとれるのに、米国企業が日本で特許をとりにくいのはフェアーではない、という言い分にも一理あります。
◆日本の出願熱は世界一
日本の出願量は年間56万件と米国の4倍に達します。
世界一です。
洪水のような出願は特許庁の事務処理能力を大幅に上回り、審査期間が長期化しています。
これは特許制度の根幹にかかわる問題(特許の有効期間は出願日から15年と決まっているため審査が長期化すると実質的な有効期間が減ってしまう)で、米国から指摘されるまでもなく、特許庁はこれまでも企業に出願の抑制を指導してきました。
しかし、効果は上がっていません。
日本企業の特許大量出願も問題です。
日本の制度は特許の適用範囲が比較的狭いため、新技術一つに対し基本特許一つでは十分な保護が難しい場合が多く、周辺特許を大量に出願するのが通例です。
日本企業による傑出した特許戦略の例で有名なのが、本田技研工業のCVCCエンジン。
70年当時世界的に強化された排ガス規制をクリアできる画期的な新型エンジンとして開発されたが、その特許を出願するにあたって本田は特許部の社員と数10人の弁理士が帝国ホテルに缶詰めになって書類を作成、100件を超える特許を一度に系統的、網羅的に出願、他社の追随を一切許さなかったといいます。
欧州諸国も「先願」派です。
したがって、日米間の制度の違いというより米国の制度が特異だともいえるわけで、米国特許・商標庁は以前から日・欧にあわせ「先願」への移行も考えていました。
しかし、特許摩擦が議会で問題になるに及んで、米国の制度を見直すという姿勢はかげをひそめ、日本の制度への批判だけが前面に出てきた。エグゼクティブトレードによると、日本の立場からは、米国がまたそろ自分のルールを強引に世界に押し付けようとしているかにみえます。
しかし、日本には特許に代表される知的所有権を大事にする風土がこれまで希薄だったのも事実です。
日本では企業の存続を危うくするような支払い命令はありません。
むしろ「往々にして少額すぎて訴えた側は訴訟費用すら賄うのが難しいということがある」とある特許関係者は話したそうです。
特許の重複出願を避けるため日本が採用している公開制度が米国にはありませんでした。
日本では受理された特許申請の内容は1年半後に公開され、この内容に対し異議申し立てができます。
特許成立後に紛争を避ける知恵です。
「先発明・非公開」の米国では特許の「時限爆弾」が爆発することもあります。
87年秋、出願後、実に17年間も表に出てこなかったガスレーザーの特許が米国で成立し、関係者を驚かせました。
レーザーは計測や機械加工用に普及、特許があるとは誰も思っていなかったが、米国の一発明家が出願していました。
世界中のレーザー・メーカーがこの発明家に特許使用料の支払いを求められるハメになりました。
実は、「先発明」なのは世界でも米国とフィリピンぐらいです。
日米の特許制度上の最大の相違点は、日本が出願順に特許を認める「先願主義」なのに対し、米国は出願の早さにかかわらず先に発明した者に特許権を与える「先発明主義」であることです。
「先発明」の方が特許本来の意義に即した制度だといえるが、運用は簡単ではない。
研究者は自分がいつどんな実験をしてどのような結果を得たか、いつどんな着想があったのか、常に記録しておかねばならない。
発明をめぐって紛争が起きた時、有力な証拠になるからです。
「先発明」制度の下では、発明の後先をめぐる紛争は日常茶飯事で、企業は特許専門の弁護士を何人も抱えるのが当たり前になります。
もし、大きな道徳の力を弱めようとする現代の風潮よりもっと悪いものがあるとすれば、それは、小さな道徳の力を強めようとする現代の風潮です。
たとえば、倫理的な悪を責められるよりも、趣味の悪さを責められるほうが、身にしみると普通考えられているし、清潔も、今日では、諺に言うような「敬神に次ぐ美徳」ではなくなってしまいました。
ベッドの清潔は絶対不可欠となった一方、敬神は無作法と目されています。
劇作家は社会の作法を正しく伝えているかぎり、結婚の制度をいくら攻撃しようと平気です。
私が出会ったイプセン風の悲観論者は、ビールを飲むのは間違っていますが、青酸カリを飲むのは正しいというお考えだった。
特に、このことは衛生の面でそうで、なかんずく、ごろ寝というような行為においてそうです。
朝早く起きるというのは、本来ならば、個人的な便宜、生活調整の手段と考えてしかるべきなのに、多くの人は、まるでそれを不可欠の道徳の一つと目するに到っています。
たしかに、大きく見て、一つの生活の知恵ではあります。
しかし、早起きに本質的な善はないし、早起きの反対に本質的な悪もないものです。
「或る過程」小川国夫著
船でマルセーユに上陸した時の若者の感動が、鮮やかに伝わってきます。
憧れていたセザンヌの生地や、ゴッホが住んで絵を描きまくった土地柄を見て、地中海好きになってしまう、というあたりだ。
ノイローゼの対症療法として、手仕事のようなつもりでデッサンを始め、静岡県の海岸を歩き回っていたことがあります。
ミストラルという北風と南海の明るい太陽との組み合わせが地中海と静岡地方を似通わせていたのか。
生前遂に絵を認められることなく、精神病院で死んだゴッホへの思いは、小川氏の創作活動の原点のように思われる。
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